空軍博物館
Bao Tang Khong Quan / The Air Force Museum

空軍博物館
Bao Tang Khong Quan / The Air Force Museum

ハノイにとってのベトナム戦争は防空の戦争であり、ベトナムの中心が首都ハノイだと信じて疑わないハノイ人にとって、空軍はまさにベトナム軍の中心であり象徴でもあります。その意味でベトナム空軍に特化したここ空軍博物館は、隣接する防空博物館とともにハノイにおけるベトナム戦争の多くを物語っています。

空軍博物館での最大の見どころは、何といってもミグ21のコクピットが展示されていることです。しかも操縦席に乗ることもできますし、さらに操縦桿を握ることもできます。ただし実際に飛行することはできません。なぜなら機首部分だけしか展示されていないからです。量産機として数多くの国で配備されてきたミグ21は大変人気がありますが、コクピットに乗らせてくれるような博物館は恐らく世界でもここだけだと考えられます。

館内には他に旧ソ連時代のソビエト空軍や宇宙軍に関する展示品も多く、宇宙飛行士たちの装備や記念品などの資料をはじめ、有人宇宙船ソユーズの地球帰還部分の実物まで展示されています。

他に屋外展示機は次の通り。Mig-21MF(5121), Mig-21PFM(5020), J-6(中国製Mig-19)(6058), L-29 Delfin(743), An-2(02103), U-17A(764), A-37B(0475), F-5A(7579), Zlin Z-226(101), TL-1(01), Ka-25BSh, Mi-4(1510), Mi-6(7609), Mi-24(7430), Mig-17(2011), Mig-17F(2047)。

場所はバックマイ病院の裏手付近で、Duong Truong Chinh通りにあります。派手な看板と神社の鳥居のような赤い門がかなり目立つため迷うことはありません。初期の頃はBao Tang Quan Chung Khong Quan(ハノイ航空博物館)とされていましたが、いつの間にか改称されて現在はBao Tang Khong Quan(空軍博物館)という名称になっています。


*要注意地帯のお知らせ

展示内容は大変充実している空軍博物館ですが、しかし実にベトナム的で致命的な欠点があります。

筆者はこれまで現時点で3回この場所を訪れましたが、最初の時は博物館の入り口で入場料5千ドンを払った後、「外国人はさらに5万ドン払え」と言われ、拒否したところ中には入れてもらえませんでした。

そこで数ヶ月後に再度行ってみたところ、今度は外国人料金は取らないということでやっと入ることができました(ただし入場料は1万ドンになっていましたが)。とにかく何とか館内の展示を見学することはできたのですが、しかしすぐに係の人らしき女性がやってきて「写真を撮るならさらに10万ドン払え」と言われ、断るとまた追い出されてしまいました。ちなみに筆者は入り口を入る際に、必ず「写真を撮ることはできますか」と聞くようにしていますし、無論この時も受付の人に承諾を得ていたのですが、しかしその受付の人に抗議してみてもにやにや笑っているだけで相手にしてもらえませんでした。

数ヶ月後、それでも懲りずに3度目の訪問に挑んでみたところ、今回は外国人料金を取られることもなく、写真撮影料金も要求されずに無事見学していくことができたのですが、最後の方になって兵隊だというベトナム人の若者3人が馴れ馴れしく話しかけてきました。この時点で早くも定番の流れなのですが、しかし最初から邪険に扱う訳にもいかないので一応話しを聞いてみたところ「1人あたり5万ドンくれ」ということになりました。(最初はつまようじなどを売りつけようとしていたようです)

しかし建物の外ならまだしも、館内でいきなり恐喝だか集りをしている輩がいるというのも非常識な話しなので、一応職員の人たちに抗議してみたのですが、例によってみんなへらへら笑っているだけでどうにもなりません。

仕方なく今回も退却せざるをえなかったのですが、その3人は駐車場までついてきて運転手のトワンさんに食い下がって始末です(写真右)。しかも車に乗って帰ろうとした際には、門番の兵隊が門を閉めたまま開けようとしないので、その時はさすがに怒鳴りつけて開けさせることになりました(一見温厚そうなトワンさんですが怒ると怖いのです)。なお、この若い兵隊は実は最初に我々が来た時から酔っ払っていて顔が真っ赤になっていました。

言うまでもなくこの一帯にいる全員がグルで、しかも筆者は毎回カモにされているというパターンが続いているのですが、しかしこれほど酷く前時代的な場所は今どきこの一帯だけ(空軍博物館と防空博物館)だと思います。市内中心部に近い軍事博物館や革命博物館では何回行ってもこの手の兆候さえ感じられないので、これはこの付近一帯の地域性というか場所柄ということになるのかもしれません。

余談ですが、空軍博物館と防空博物館ともに英語を話す人はいません。強請も集りもすべてベトナム語のみの会話となりますので、面倒な場合は何も話さないのが簡単です。が、嫌な思いをしたくないのでしたら、素直に最初からこの付近には近寄らない方が賢明でしょう。本来はこういう書き方はしたくないのですが、毎回決まっての不正行為ですし、改善する気も見込みも無さそうなので、あえて要注意地帯ということで警告しておくことにします。ただ、それでも行ってみる価値はある人にはあります。


空軍博物館 写真ギャラリー(現時点まで)の開始


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